YU君 小学校1年生 男の子
ワーキングメモリトレーニングの結果報告
YUくん(**生まれ)、はワーキングメモリトレーニングを**年**月**日―**年**月**日 の間に実施しました。また、YUくんはトレーニングを25回中25回実施しました。お母様 がその間のトレーニングエイドでした。
トレーニングの前半は、マウスに慣れていないことで点数が上がらないこともありましたが、トレーニングを前向きに根気強く続けられました。本当によく頑張りましたね。修了、おめでとうございます。
トレーニングの結果
YUくんのトレーニング結果は、①ワーキングメモリのインデックス、②評価スケールによる保護者からの行動アセスメント、そして③ラップアップセッションで示されたトレーニング効果の3つの側面から説明することが出来ます。
ワーキングメモリ・インデックスとは
ワーキングメモリの容量は、トレーニング期間中に定期的にいくつかのエクササイズの結果をもとに計算され、ワーキングメモリ・インデックスとして示されます。ワーキングメモリの改善(インデックスの向上)は、トレーニングの開始時に計算されたインデックス(開始時のインデックス)とトレーニング期間中に得た最高のインデックス(最高インデックス)とを比較することで計算されます。ワーキングメモリトレーニングを完了した人の平均的な改善は23点です。ここで重要なことはインデックスは、ワーキングメモリを測定するための手段に過ぎず、日常生活場面で使われるワーキングメモリへの直接的なトレーニング効果に対応するものではないということを念頭においていただくことです。
YUくんの開始時のインデックスは63点であり、同年代でワーキングメモリにむずかしさのない子ども(7歳の世界の平均=62)と同等であると考えられます。トレーニング期間中にYUくんは、最高インデックスとして85点をマークし、これは、22点の向上となります。これはワーキングメモリトレーニングを受けた他の人と比べて素晴らしい改善であると考えられます。
評価スケールによる保護者の行動アセスメント
トレーニングの前後に保護者が、アンケートに回答することで、YUくんの不注意と多動性・衝動性の程度に減少が見られたかを査定します。その値が小さいほど、症状がより緩やかなことを示します。トレーニング効果を測定する方法の一つは、トレーニング後に記入された行動アセスメントとトレーニング前に記入された行動アセスメントを比較することです。症状減少の程度が大きいほど、トレーニング効果が大きいことを示します。保護者の回答の変化に加え、トレーニング効果におけるその他の側面、ラップアップ・セッションで示されたYUくんと保護者からのトレーニングに対する意見も考慮にいれます。
変化の信頼性を保つために、YUくんの症状のアセスメントは、ワーキングメモリトレーニングを実施してきた他の方々の変化と比較します。以下の表は、お子さんの結果をグループレベルで他の子どもの結果と比べた際に、ありうる変化がどの程度大きいかを数値的に示したものです。
保護者の評価
保護者の方に記入していただきました事前・事後のアンケートの結果ですが、注意に関しては大幅な改善がみられました。また、多動性.衝動性に関しては改善がみられ、衝動性に関しては気になる行動が0になりました。このような注意・集中力の大幅な改善により、宿題をノートにメモしてきたり、課題の内容を口頭で言えるようになったり、漢字の宿題への取組がスムーズになるなどの変化がみえてきたのだと考えられます。
ラップアップ・セッションについて
トレーニングを終えて、YUくんは、インタビューの中で、「トレーニングはすごい、楽しかった!」、「ロボット、もっと頑張ってやりたい!」、と言っています。
保護者であるお母様からは、「トレーニングを楽しくやっているうちに集中力や語彙力がついてきた」、「パソコンをやりたがっていたので、子どもを動機付けるのは容易だった」、「トレーニングの終わりが悲しそうだった」、「ご褒美があるからトレーニングを頑張ると言うことはなく、トレーニングをやることそのものが楽しい!」、「トレーニング前に設定したゴールについて、思っていた以上にできるようになっている」、「YUくんから、“それって、何っていう意味?”、と聞かれることが多くなってきた」、などのコメントをいただきました。お母様とお父様が協力され、集中してトレーニングに取り組める環境を整えられたことがYUくんにとって励みになったと思われます。
あなたのお子さんに見られた3つの顕著な効果は、
担任の先生が話しているときには担任の先生の話を聞けるようになったこと
宿題は何をすることかをノートに書くようになったこと
国語の音読が苦手だったが、スラスラ読めるようになってきたこと
です。