MSくん 4歳 男の子

ワーキングメモリトレーニングの結果報告

MSくん(4歳)はワーキングメモリトレーニングを**年**月**日―**年**月**日 の間に実施しました。また、MSくんはトレーニングを25回中25回実施しました。お母様 がその間のトレーニングエイドでした。

幼稚園の年中組に在籍中のMSくんですが、学校生活が始まったときに少しでも学校生活に適応し易いようにとトレーニングに取り組まれました。お母様の熱心なサポートのもと短期間に集中してトレーニングをやり遂げることができました。

本当に頑張りましたね。修了、おめでとうございます。

トレーニングの結果

MSくんのトレーニング結果は、①ワーキングメモリのインデックス、②評価スケールによる保護者からの行動アセスメント、そして③ラップアップ・セッションで示されたトレーニング効果の3つの側面から説明することが出来ます。

ワーキングメモリ・インデックスとは

ワーキングメモリの容量は、トレーニング期間中に定期的にいくつかのエクササイズの結果をもとに計算され、ワーキングメモリ・インデックスとして示されます。ワーキングメモリの改善(インデックスの向上)は、トレーニングの開始時に計算されたインデックス(開始時のインデックス)とトレーニング期間中に得た最高のインデックス(最高インデックス)とを比較することで計算されます。ワーキングメモリトレーニングを完了した人の平均的な改善は23点です。ここで重要なことはインデックスは、ワーキングメモリを測定するための手段に過ぎず、日常生活場面で使われるワーキングメモリへの直接的なトレーニング効果に対応するものではないということを念頭においていただくことです。

MSくんの開始時のインデックスは58点であり、同年代でワーキングメモリにむずかしさのない子ども(世界の同年令の平均=52)と同等と考えられます。トレーニング期間中にMSくんは、最高インデックスとして75点をマークし、これは、17点の向上となります。これはワーキングメモリトレーニングを受けた他の人と比べて素晴らしい改善であると考えられます。

評価スケールによる保護者の行動アセスメント

トレーニングの前後に保護者が、アンケートに回答することで、MSくんの不注意と多動性・衝動性の程度に減少が見られたかを査定します。その値が小さいほど、症状がより緩やかなことを示します。トレーニング効果を測定する方法の一つは、トレーニング後に記入された行動アセスメントとトレーニング前に記入された行動アセスメントを比較することです。症状減少の程度が大きいほど、トレーニング効果が大きいことを示します。保護者の回答の変化に加え、トレーニング効果におけるその他の側面、ラップアップ・セッションで示されたMSくんと保護者からのトレーニングに対する意見も考慮にいれます。

変化の信頼性を保つために、MSくんの症状のアセスメントは、ワーキングメモリトレーニングを実施してきた他の方々の変化と比較します。以下の表は、お子さんの結果をグループレベルで他の子どもの結果と比べた際に、ありうる変化がどの程度大きいのかを数値的に示したものです。

保護者の評価

保護者の方にご記入いただきました事前・事後のアンケートの結果ですが、「順序だてて行動できない」、で、“ある程度”から“かなり当てはまる”に評価が変化してはいますが、全体としては、「注意」に関して大幅な改善がみられました。「多動性・衝動性」では変化がみられませんでした。

ラップアップ・セッションについて

トレーニングを終えて、MSくんは、「トレーニングを楽しくなかった!」、と言っています。「 好きだったエクササイズはツイスターとホテル」、「苦手なエクササイズはジェットコースターと観覧車」、といっています。

保護者であるお母様はトレーニングを息子にとって、「トレーニングに取り組むのが早すぎたかなと思う」、「トレーニングの最初はよかったが、トレーニングがだんだん難しくなるとトレーニングに取り組ませるのが大変だった」、と言っています。MSくんはごほうびにこだわることはなかったと言ってますが、ごほうびシールについて、「5回終了したときの金シールがあっさりすぎている。もう少し子どもの喜ぶもの、例えばポケモンシールのようなものだったら子どものモチベーションがあがるのでは・・・」、というコメントをくださいました。

あなたのお子さんに見られた顕著な効果は、

    • 部屋中にひろげたおもちゃの半分くらいを片付けられるようになったこと

    • 入浴のとき脱いだ洋服のズボンなど大きなものを洗濯かごにいれるようになったこと

などです。

重要なお知らせ: コグメドワーキングメモリトレーニングは医療機関の相談・診察や、医師により処方されるかもしれない薬物治療の代わりとなることを意図されたものではあ りません。コグメドワーキングメモリトレーニングに関する科学研究は強い改善効果を証明しています。それでも個々のケースや、特定のユーザにおける効果と結果は決して保証できず、個人差があるかもしれません。

(英語原文)

Important notice: Cogmed Working Memory Training is not intended to be a substitute for a health care provider's consultation or a substitute for medication that a doctor may have prescribed. Scientific research with respect to Cogmed Working Memory Training has evidenced strong improvement effects. Even so, the effects or results in individual cases and for a specific user can never be guaranteed and results may vary.