MA君 小学校6年生 男の子
ワーキングメモリトレーニングの結果報告
MAくん、**生まれ、はワーキングメモリトレーニングを** の間に実施しました。また、MAくんはトレーニングを25回中25回実施しました。お母様 がその間のトレーニングエイドでした。
MAくんによると、もっとも好きなエクササイズは<入力モジュール>で、苦手なエクササイズは<回転データリンク>とのことです。好きなエクササイズについては、最初は<デコーダ>だったほか、<スタビライザー>も結構好きで、「楽しい」のは<小惑星>のようです。一方、苦手なのは、一貫して<回転データリンク>だったようです。また、トレーニングの内容にも興味を示し、全体的には結構楽しかったとのことです。
ワーキングメモリトレーニングについて
ワーキングメモリトレーニングとは、注意またはワーキングメモリにむずかしさをもつお子さんのために、ワーキングメモリの改善を目的としてデザインされたソフトウェアベースのトレーニングです。
査読(同分野の専門家によって研究の正当性を判定すること)を経た科学論文として発表された対照臨床試験(トレーニングを行ったグループと行わないグループによって厳密に因果関係と効果を臨床的に評価する研究)において、ワーキングメモリトレーニングの完了者のうち80%以上の方が集中力や複雑な推論能力において長期にわたって統計的に有意に改善したことが継続的に示されています。
トレーニングの結果
MAくんのトレーニング結果は、①ワーキングメモリのインデックス、②評価スケールによる保護者からの行動アセスメント、そして③ラップアップセッションで示されたトレーニング効果の3つの側面から説明することが出来ます。
ワーキングメモリ・インデックスとは
ワーキングメモリの容量は、トレーニング期間中に定期的にいくつかのエクササイズの結果をもとに計算され、ワーキングメモリ・インデックスとして示されます。ワーキングメモリの改善(インデックスの向上)は、トレーニングの開始時に計算されたインデックス(開始時のインデックス)とトレーニング期間中に得た最高のインデックス(最高インデックス)とを比較することで計算されます。ワーキングメモリトレーニングを完了した人の平均的な改善は23点です。ここで重要なことはインデックスは、ワーキングメモリを測定するための手段に過ぎず、日常生活場面で使われるワーキングメモリへの直接的なトレーニング効果に対応するものではないということを念頭においていただくことです。
MAくんの開始時のインデックスは94点であり、同年代でワーキングメモリにむずかしさのない子ども(12歳の世界の平均=79)と比べ、より高いと考えられます。トレーニング期間中にMAくんは、最高インデックスとして148点をマークし、これは、54点の向上となります。これはワーキングメモリトレーニングを受けた他の人と比べて大変素晴らしい改善であると考えられます。
ラップアップ・セッションについて
トレーニングを終えて、MAくんは、「結構楽しかった」「ロボットが喋るところや、<小惑星>の効果音が気に入った」「回転系が難しかった」と言っていました。また、「計算ミスが減った、うっかり忘れやうっかりミスが減った、忘れ物も少し減った」と感じているそうです。
保護者であるお母様からは、「冬期講習と重なってしまったので、時期が悪かった」「塾の宿題があるときには大変だった」等の感想もあったものの、「難しいと少しイライラしていたが、嫌がってはいなかった」「プログラムが楽しく作られていると感じた」「興味深く取り組んでいた」とのコメントも頂き、「やらせてよかった」とも言って頂きました。お母様がMAくんの状態をよく見て、負担がかかりすぎないよう調整をしながら、適切に励ましや助言をしてくださったことが、大きな成果に結びついたものと推察されます。
あなたのお子さんに見られるトレーニングの効果は、
○ 忘れ物が以前より減ってきた
○ テストに集中できれば、うっかりミスはしないようになった
○ 興味がしっかり持てれば、動作や作業も速くできることが多くなった
○ 人間関係上の問題が起こらなくなった
などです。